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ジュエリー修理:実例紹介『象嵌(ぞうがん)細工の指輪のサイズ直し』

難易度の高い象嵌細工の指輪の修理の実例を紹介します。
NAO
NAO
こんにちは。寒くなってきて、お気に入りのコートが着れるようになってきたのが嬉しい、ジュエリーコンシェルジュのNAO(@garland_style)でーす。

今日はいつもと趣向を変えて、ジュエリー修理:実例紹介『象嵌(ぞうがん)細工の指輪のサイズ直し』というテーマで、先日承った珍しい象嵌(ぞうがん)細工の指輪のお修理のお話しをさせて頂きます。

象嵌細工とは?

象嵌(ぞうがん)細工って皆さんはご存知でしたか?
名前は聞いたことがなかったとしても、こんな品物を目にしたことがあるのではないでしょうか?

日本の象嵌細工
ランちゃん
ランちゃん
ああ、工芸品のお店なんかで見たことあるわ。この金色のコントラストが美しくて
なんか『いかにも和』って感じの細工 よね!
純金を埋込むなんて発想、最初に考えた人は凄いわねえ‼︎
先生
先生
そうなんです。象嵌(ぞうがん)は日本では主に、漆塗りの簪(かんざし)や小物入れなどに施されていました。

柔らかい純金や純銀を薄く象り、装飾品に埋め込む特殊技術のことです。

実はその歴史は紀元前にまで遡り、ヨーロッパでも『ピクエ』とも呼ばれる伝統的な工芸品として、

ブローチやペンダントなどのジュエリーにこのような細工が施されていたのです。

ヨーロッパの象嵌細工のジュエリー
ランちゃん
ランちゃん
へええ、そんなに世界的に歴史のある伝統工芸だったのね。

NAO
NAO
そうなんです!

今回、そんな珍しくて素敵なお品物のお修理を承ったので、ご依頼主の方にも許可をいただき、ブログを書かせていただきました。

是非、楽しんでご覧いただければと思います。

では早速、ジュエリー修理:実例紹介『象嵌(ぞうがん)細工の指輪のサイズ直し』のご紹介をしていきましょう。

お客様のご依頼内容

ご相談内容は下記のようなものでした。

ご相談内容

『子育てで何年か指輪をつけることができず、最近になってもうそろそろ着けてみようかと思ったのですが、指のサイズが大きくなっていてつけられなくなっていました。
何店舗か相談したのですが、象嵌細工が剥がれてしまうのでむずかしい断られてしまいました。
またせっかくならダイヤモンドを一粒埋め込んで、さり気なくキラキラさせたいのですが、できますか?

そして、お送りいただいたお品物が下の画像です。

お客様の象嵌細工の指輪

ご依頼主様から送られた象嵌細工の指輪とダイヤモンド

①純度の高いプラチナ950の土台に純金の象嵌細工が全周に施されているシンプルなリング。

NAO
NAO
指輪の地金の厚みや象嵌の模様から、量産品の指輪ではなく手作りの一点モノということがわかりました。
指輪の内側に、記念日とお二人のイニシャル刻印が長めに刻印されていたのと表面にはいまんべんなく象嵌が施されていたので、サイズ直しできるスペースはかなり少なそう、といった印象。通常よりも純度が高く柔らかいプラチナと象嵌部分には純金が使われていたので、表面は全体的に凸凹したテクスチャーになっていました。

②メレダイヤ1粒。

NAO
NAO
もっと大きな石だったら十分婚約指輪にも使えそうなグレードの高いダイヤモンドで、ご依頼主様の本物嗜好や強いこだわりが伺えました。
ただ、指輪に埋め込むにはダイヤの厚みと幅が少し大きすぎるかも、といった印象でした。

加工にあたっての問題点

いつもお願いしている信頼のおける職人のTさんと打ち合わせをしたところ、下記の問題点が挙げられました。

[サイズ直しの問題点]
★サイズ直しの為にプラチナ900の板を3㎜挟み込むと、純金の象嵌模様が3㎜分途切れてしまう。
★サイズ直しの為に指輪を曲げることで、純金の象嵌が剥がれてしまう可能性がある。
★サイズ直しをする際はプラチナ900の板を挟み込むので、ご依頼主様の指輪のプラチナ950とは色が違って見えるかもしれない。
★サイズ直しの際に必ず必要な磨き加工が、象嵌部分だけできないので、サイズ直しした部分だけツヤツヤになり、元の部分は凸凹のままになってしまう。

[ダイヤモンド埋め込みの問題点]
★ダイヤモンドのサイズが大きすぎて完全には金属の中に埋め込めないので、爪を立てて少しだけダイヤが飛び出すセッティングした方が良いのではないか?
また、金属の中に埋め込んでしまうにはダイヤモンドのグレードが良すぎるので、逆にこの留め方の方がダイヤに光りが当たってより輝くので良いのではないか?
★サイズを直すことで象嵌模様が途切れて不自然になってしまうのをカモフラージュする為に、プラチナを足した3㎜のプラチナ部分にダイヤモンドを留めるしかないが、本来はデリケートで加工できない部分なので無事にダイヤモンドが埋め込めるか強度面が心配。

NAO
NAO
いつもならなんてことないお修理なのですが、やはり象嵌細工が全周に施された特別なお品物だったので、職人のTさんいつも以上に慎重な意見を出してくれました。
でも、難しい加工ほど職人さんはやりがいを感じるようで、『これは本当に難しいんだよね〜』と言いながらも、とても楽しそうだったのが印象的でした(笑)

何度かご依頼主様とやりとりをさせて頂き、下記のような解決方法で落ち着くことができました。

①サイズ直しをした部分以外は仕上げの磨きができないので初めのうちはテクスチャーが違って見えるけれど、プラチナは柔らかく使っていくうちに傷がついて周りのテクスチャーに馴染んでくるので、その変化も楽しみながら身につけていただく。
②ダイヤモンドは少しだけ小さいサイズを再度ご用意いただいて、当初のご希望通り、完全に金属に埋め込んでさり気ないキラキラを楽しめるようにする。
③それ以外の問題点は全て職人Tさんの腕次第なので、あとはこちらが頑張ります(汗&笑&汗)!

お修理の出来上がり画像

さあ、お待ちかねの出来上がり画像はこちらになります。画像があまり鮮明でなくて申し訳ないですが、とってもキレイに仕上がりました!

象嵌細工の指輪の修理

いかがですか?純度が違うプラチナ同士の溶接ですが境目もわからないくらいキレイに溶接されているのがわかりますでしょうか?
ダイヤ周りとそれ以外の部分のテクスチャーの違いが少し目立ちますが、プラチナはとても柔らかいので、暫く使ううちに馴染んでくることと思います。
また、長めに入っていた内側のイニシャルや記念日も全く途切れることなく、更に、追加したダイヤモンドカラット(ct)数も内側に追加刻印してあります。

ご依頼主にも大変喜んでいただき、私や職人のTさんもとてもホッとしたと同時に、『こんな貴重なお修理を体験させていただいてこちらこそありがとうございます』といった気持ちでした!

今回のテーマジュエリー修理:実例紹介『象嵌(ぞうがん)細工の指輪のサイズ直し』はいかがでしたでしょうか?皆さんの今後の参考になると大変嬉しいです。

NAO
NAO
ジュエリーは財産価値があり、地球上で唯一経年劣化もしない特別な素材です。
この指輪もこれから末長く楽しんでただいて、
もしかするとゆくゆくはお子さんにも身につけてもらえるようになるかも知れないと思うと、
とてもワクワクします!
皆さんも、引き出しの中に眠っているジュエリーのことを思い出してみてはいかがでしょうか?

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